怖い話 某心霊トンネルで人を轢いた話

ヒトコワな話

10年位前のことだろうか?

俺は友人たちと心霊スポット巡りにハマっていて、毎週末はみんなでドライブをしていた。

で、とうとう心霊スポットでも有名な「某トンネル」に行った時のことだった。

大々的にメディアに取り上げられる前だったので、訪れる人はボチボチという感じだった。

(今は有名になりすぎて来る人が多いそうだが)

街灯のない山道を、車のライトだけをを頼りにして走っているのは薄気味悪く、友人と大いに盛り上がる要素だった。

手前の方しかライトが当たらないので、遠くが良く見えないのだ。

友人と他愛もない話をしながら、コンビニで買ったお菓子を食べたりして学校の話をしたり、怪談話をしたりしてその「某トンネル」を目指して走っていた。

もう少しでトンネルにつく・・・というところで、ドン!!!

という大きな衝撃が車を襲った。

野生動物にぶつかったのか?そう思ったが、車を降りてみるとそれは「人」だった。

血まみれで倒れている中年くらいの男性だった。

なぜ気づかなかったのかわからないが、暗かったのとおしゃべりに夢中で、人がいるのに気が付かなかったのかもしれない。

「大丈夫ですか!」と声をかけても返事がない。

友人が携帯電話で警察に電話をしようとしたが、山の中だからか、電波が入らない。

男性を車に乗せて直接病院に連れていくことにした。

意識がなかったのでしょうがないが、トランクルームに乗せた。

なにせ、5人乗りの車に5人乗車していたのだから。

そして、病院に送り届けて警察を呼ばれて事情聴取された。

数日後警察から「轢かれた男性は死亡が確認された」とのこと。

運転をしていた友人は青ざめて、「何か罪になるんですか?前方不注意とか」と質問した。

「あの人はそもそもあんな山深いところで何をしていたんですか?」と警察に聞いてみると、「轢かれた男性は県外に住む40歳代の無職の男性であることが分かった。男性の倒れていた付近に自動車が2台乗り捨てられてて、若者の死体が2体事故現場付近から発見された」「君たちは運が良かったのかもしれない。事故現場には血の付いたサバイバルナイフが落ちていて、死亡した男性の指紋が検出された。あの男は、君たちのように心霊スポットに来る人を襲って殺害していたようだよ」

俺たちは、その話を聞いて全身の毛が逆立った。

「いくら殺人鬼でも、わざとではないですがひき殺してしまったら罪になりますよね?」と聞いてみると、さらに血の気が引く事実を知らされた。

「車に轢かれて男性は亡くなったのではないですよ。トランクの中で絶命してました。紐のようなもので首を自分で絞めてました。おそらく、リアハッチタイプならあなた方を襲撃しようとしたのでしょうけど、トランクルームに入れられたので警察に捕まる前にって思ったんでしょうね」

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